狙うキーワード:東京 不動産会社 M&A
東京の不動産会社M&Aを検討する譲渡企業向けに、宅建業免許、専任宅建士、管理物件、媒介契約、賃貸管理、顧客情報、手数料0円相談の論点を整理します。
東京の不動産会社M&Aでは、決算書上の売上や利益だけでなく、宅地建物取引業免許、専任の宅地建物取引士、事務所、従業者名簿、媒介契約、管理物件、オーナーとの関係、入居者対応、顧客情報、広告アカウント、保証会社・保険会社・金融機関との関係が候補先の判断に影響します。都内の不動産業は商圏が細かく、駅・沿線・オーナー網・管理戸数・営業担当者の継続性が価値になります。本記事では、東京都内の不動産仲介会社・賃貸管理会社がM&Aを検討する際に確認すべき実務を、譲渡企業の目線で整理します。
この記事で整理すること
- 東京の不動産会社M&Aで候補先が確認する宅建業免許・事務所・専任宅建士
- 管理物件、媒介契約、オーナー関係、入居者対応の承継論点
- 売買仲介、賃貸仲介、賃貸管理、PM、サブリースごとの資料整理
- 個人情報、広告アカウント、ポータルサイト、口コミ、顧客データの注意点
- 譲渡企業の仲介手数料0円で初期相談する際の実務準備
初期確認チェックリスト
M&Aの初期相談では、すべての資料がそろっていなくても進められます。ただし、次の項目を経営者自身の言葉で説明できると、相談先が譲渡企業の状況を把握しやすくなり、候補先に出す匿名概要や質問回答の精度も上がります。未整理の項目は無理に判断せず、確認事項として残すことが重要です。確認した日付と担当者も残しておくと、後続の資料更新がしやすくなります。
- 譲渡理由:後継者不在、成長投資、代表者の年齢、事業の選択と集中など、検討理由を簡潔に説明する
- 希望時期:今すぐ、半年後、1年後、数年以内など、事業と生活設計に合う時期を考える
- 守りたい条件:雇用、社名、取引先、地域での信用、代表者の残留期間を価格条件と分けて整理する
- 主要資料:決算書、月次、顧客別売上、人員表、契約一覧、借入一覧、許認可資料の有無を確認する
- 候補先像:同業、周辺業種、地域企業、首都圏の成長企業など、事業を託しやすい相手の条件を考える
- 不安点:情報漏えい、従業員説明、取引先対応、税務、法務、価格目線などを率直に書き出す
- 相談範囲:社名非開示で話す内容、NDA後に開示する内容、専門家確認が必要な内容を分ける
不動産会社M&Aは免許・人材・管理物件の承継が中心になる
東京の不動産会社M&Aでは、売上規模や利益だけで候補先が判断するわけではありません。宅地建物取引業免許、専任の宅地建物取引士、事務所、従業者、管理物件、オーナーとの信頼関係、媒介契約、広告運用、顧客情報の管理体制が重要になります。
不動産会社の価値は、駅前立地、沿線での認知、オーナー紹介、管理戸数、売買仲介の反響、賃貸仲介の客付け力、賃貸管理の継続率、営業担当者の経験に表れます。これらは決算書だけでは見えにくいため、譲渡企業が資料として整理する必要があります。
候補先は、譲渡後に免許や事務所体制を維持できるか、専任宅建士や営業担当者が残るか、管理物件が継続するか、オーナーや入居者への説明が円滑にできるかを確認します。早い段階で論点を整理しておくことが、条件交渉の安定につながります。
- 免許:宅地建物取引業免許、事務所、専任宅建士、従業者名簿を確認する
- 人材:営業担当、管理担当、経理、契約担当、宅建士の継続性を整理する
- 管理物件:管理戸数、オーナー、契約形態、解約率、収益性を確認する
宅建業免許と事務所・専任宅建士を確認する
不動産会社M&Aで最初に確認されるのは、宅地建物取引業免許の内容です。東京都知事免許か国土交通大臣免許か、免許番号、更新時期、事務所所在地、専任の宅地建物取引士の配置、従業者証明書や従業者名簿の管理状況が候補先の検討材料になります。
東京都住宅政策本部は、宅地建物取引業免許申請の手引を公開しており、申請・届出や閲覧可能書類の扱いについて最新情報を確認できます。国土交通省も宅地建物取引業者検索を公開しているため、免許情報の外部確認が可能です。M&Aの実務では、手元の副本や届出履歴も整理しておく必要があります。
専任宅建士が代表者本人である場合、譲渡後に代表者が退任すると事務所体制に影響する可能性があります。候補先は、社内に代替できる宅建士がいるか、譲受企業側の宅建士で対応できるか、変更届や手続きが必要かを確認します。
- 免許情報:免許番号、更新時期、免許行政庁、事務所所在地を整理する
- 専任宅建士:氏名を伏せた役割、資格、常勤性、退任予定、代替可能性を確認する
- 届出履歴:役員、政令使用人、専任宅建士、事務所変更の履歴を確認する
売買仲介・賃貸仲介・賃貸管理を分けて見る
不動産会社M&Aでは、売買仲介、賃貸仲介、賃貸管理、PM、サブリース、買取再販など、どの収益源が会社を支えているかを分けて説明する必要があります。同じ不動産会社でも、候補先が見るポイントは事業内容によって大きく変わります。
売買仲介では、反響経路、紹介、査定依頼、成約率、平均手数料、対応エリア、営業担当者の属人性が見られます。賃貸仲介では、ポータル反響、駅前立地、法人契約、繁忙期対応、客付け力が重要です。賃貸管理では、管理戸数、オーナー継続率、入居率、滞納率、修繕対応、管理委託契約が確認されます。
譲渡企業は、全社売上だけでなく、事業別の売上・粗利・担当者・主要顧客・継続性を整理します。候補先がどの事業に価値を感じるかによって、候補先探索の方向性も変わります。
- 売買仲介:反響、紹介、査定、成約率、平均手数料、営業担当者を整理する
- 賃貸仲介:ポータル反響、駅前立地、法人契約、繁忙期対応を確認する
- 賃貸管理:管理戸数、入居率、滞納率、修繕対応、管理契約を整理する
管理物件とオーナー関係を棚卸しする
賃貸管理会社のM&Aでは、管理物件とオーナー関係が最も重要な価値になることがあります。管理戸数だけでなく、オーナー数、地域、物件種別、管理手数料、入居率、滞納率、解約率、修繕対応、クレーム対応を整理します。
管理委託契約の内容、契約期間、解除条項、承継可否、管理手数料、送金方法、敷金管理、原状回復、更新事務、保証会社との関係を確認します。契約書が古い場合や口頭合意が多い場合は、候補先がリスクとして見る可能性があります。
オーナーとの関係は、代表者や特定担当者に依存している場合があります。譲渡後に管理継続してもらうためには、説明時期、説明者、譲受企業候補の管理方針、担当者継続の有無を設計する必要があります。
- 管理戸数:物件数、戸数、オーナー数、地域、物件種別、入居率を整理する
- 管理契約:契約期間、解除条項、手数料、送金、敷金、更新事務を確認する
- オーナー説明:説明時期、説明者、担当継続、管理方針を事前に設計する
媒介契約・顧客情報・反響経路を整理する
売買仲介や賃貸仲介では、媒介契約、査定依頼、反響情報、見込み顧客、過去成約データの扱いが重要です。候補先は、譲渡後も反響や紹介が継続するか、顧客情報を適切に管理しているかを確認します。
媒介契約については、専属専任、専任、一般の区分、期間、物件種別、エリア、担当者、成約見込み、契約書や重要事項説明の管理状況を整理します。未成約案件や査定中案件は、個人情報や守秘義務に注意して段階的に開示します。
反響経路は、ポータルサイト、自社サイト、Googleビジネスプロフィール、紹介、看板、チラシ、SNS、法人提携などに分けます。どの経路が代表者個人に依存しているか、どの経路が会社として継続できるかを説明できる状態にします。
- 媒介契約:契約区分、期間、物件種別、担当者、成約見込みを整理する
- 顧客情報:個人情報、守秘義務、開示範囲、管理権限を確認する
- 反響経路:ポータル、自社サイト、紹介、看板、法人提携を分けて見る
広告アカウント・ポータルサイト・口コミを確認する
不動産会社の集客力は、ポータルサイトや広告アカウント、自社サイト、口コミに表れます。候補先は、広告費、反響数、成約率、掲載物件数、口コミ評価、Googleビジネスプロフィール、SNSアカウントの管理状況を確認します。
アカウントが代表者個人や担当者個人のメールに紐づいている場合、譲渡後の引継ぎに支障が出ることがあります。ログイン権限、請求先、契約名義、掲載プラン、広告代理店との契約、レビュー対応履歴を整理します。
口コミやレビューは、地域での信用を示す材料になります。良い評価だけでなく、低評価への対応、クレーム対応、改善履歴を整理しておくと、候補先はブランド承継の実態を確認しやすくなります。
- 広告:広告費、反響数、成約率、掲載プラン、代理店契約を整理する
- アカウント:ログイン権限、契約名義、請求先、担当者メールを確認する
- 口コミ:評価、レビュー対応、クレーム履歴、改善状況を整理する
従業員・営業担当・宅建士の継続性を見る
不動産会社M&Aでは、営業担当者、管理担当者、契約担当者、経理担当者、専任宅建士の継続性が重要です。顧客やオーナーは担当者との関係で継続していることが多く、退職リスクは候補先の判断に影響します。
人員表は、氏名を伏せた状態でも作成できます。役割、資格、担当業務、担当エリア、勤続年数、雇用形態、年齢層、担当オーナー、担当物件、残留可能性を整理します。個人情報の開示は、NDA後も段階を分けて行います。
専任宅建士や営業責任者が代表者に近い場合、譲渡後の処遇、役割、引継ぎ期間を確認する必要があります。候補先面談では、従業員の雇用方針や組織統合の考え方も確認します。
- 人員表:役割、資格、担当物件、担当オーナー、勤続、雇用形態を整理する
- キーマン:営業責任者、管理責任者、専任宅建士の残留可能性を確認する
- 説明順序:従業員説明の時期、説明者、雇用条件、担当継続を設計する
不動産関連システムとデータ移管を確認する
不動産会社では、顧客管理、物件管理、賃貸管理、会計、電子契約、広告出稿、入居者対応、修繕管理など複数のシステムを使っていることがあります。M&Aでは、これらの契約名義、データ移管、アクセス権限が重要になります。
管理物件や顧客情報が担当者個人の端末、表計算ソフト、メール、チャットに分散している場合、候補先は引継ぎリスクを大きく見ます。データ項目、保存場所、バックアップ、アクセス権限、退職者アカウントの有無を確認します。
個人情報の取り扱いは慎重に行う必要があります。初期段階では匿名化や集計値で説明し、具体的な顧客名やオーナー名の開示は、NDA、開示目的、開示範囲を確認してから進めます。
- システム:顧客管理、物件管理、賃貸管理、会計、電子契約の契約名義を確認する
- データ:保存場所、権限、バックアップ、退職者アカウント、移管方法を整理する
- 個人情報:匿名化、NDA、開示目的、開示範囲を確認する
法務・免許・個人情報は専門家確認を前提にする
不動産会社M&Aでは、宅建業免許、重要事項説明、媒介契約、賃貸管理契約、個人情報、反社チェック、広告表示、預り金、敷金、保証会社、保険代理店業務など、法務・免許・実務上の論点が重なります。
譲渡スキームによって、免許や契約、個人情報、従業員、賃貸借契約の扱いが変わる場合があります。株式譲渡、事業譲渡、会社分割などの選択は、税務、法務、許認可、契約承継に影響します。
本記事は一般的な整理であり、個別判断は専門家確認が必要です。弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士など、論点に応じて確認し、譲渡企業だけで結論を急がないようにします。
- 免許:宅建業免許、変更届、専任宅建士、事務所要件を確認する
- 契約:媒介、管理、賃貸借、広告、保証会社、保険会社との契約を確認する
- 個人情報:顧客名簿、オーナー情報、入居者情報、開示範囲を確認する
預り金・敷金・送金管理を確認する
賃貸管理を行う不動産会社では、預り金、敷金、家賃送金、更新料、原状回復費、修繕費の管理が重要です。候補先は、会社の資金とオーナー・入居者からの預り金が適切に区分されているかを確認します。
管理戸数が多い会社では、入金確認、滞納管理、オーナー送金、保証会社請求、修繕費精算、敷金返還が毎月発生します。会計処理やシステム運用が属人的な場合、譲渡後に引継ぎリスクが大きくなります。
譲渡企業は、預り金残高、管理口座、送金スケジュール、未収管理料、滞納、敷金管理、保証会社との連携を一覧化します。金銭管理に不明点がある場合は、税理士や弁護士へ早めに確認することが重要です。
- 預り金:管理口座、残高、会計処理、会社資金との区分を確認する
- 送金:家賃入金、オーナー送金、滞納、保証会社請求の流れを整理する
- 精算:敷金、原状回復、修繕費、更新料、未収管理料を確認する
店舗・看板・駅前立地の価値を説明する
東京の不動産会社では、店舗の立地や看板、駅前での認知が価値になることがあります。ポータルサイト中心の集客に見えても、地域オーナーや近隣住民からの相談は、長年の店舗運営と看板で生まれている場合があります。
店舗が賃貸の場合、賃貸借契約、更新時期、看板設置、用途、原状回復、保証金、賃料、駅からの導線を整理します。候補先は、譲渡後も同じ場所で営業できるか、看板や屋号を継続できるかを確認します。
地域密着の不動産会社では、駅名、沿線、学区、商店街、地元地主、金融機関、士業との関係が重要です。譲渡企業が地域の信用を資料化できると、決算書だけでは伝わりにくい価値を候補先に説明しやすくなります。
- 店舗:賃貸借、更新、賃料、保証金、原状回復、看板設置を確認する
- 商圏:駅、沿線、学区、商店街、地元地主、金融機関との関係を整理する
- 屋号:社名、屋号、看板、口コミ、地域認知の継続方針を確認する
東京の不動産会社M&Aで地域性を説明する
東京の不動産会社M&Aでは、地域によって強みが変わります。都心部では高額売買、法人賃貸、オフィス、店舗、投資用不動産が見られます。城南・城西では住宅売買、賃貸仲介、管理物件、富裕層やファミリー層への対応が重要です。
城東・城北では地元オーナー、管理物件、相続相談、リフォーム、地域密着の紹介が価値になります。多摩地域では戸建、地元地主、賃貸管理、学生・ファミリー向け賃貸、地域金融機関との関係が見られます。
候補先が都外企業の場合、東京の駅・沿線・商圏・賃料水準・オーナー関係を十分に理解していないことがあります。譲渡企業が地域特性を言語化することで、候補先は譲渡後の運営を考えやすくなります。
- 都心:高額売買、法人賃貸、オフィス、店舗、投資用不動産を整理する
- 城南・城西:住宅売買、賃貸仲介、管理物件、沿線需要を説明する
- 城東・城北・多摩:地元オーナー、相続、管理、地域金融機関との関係を整理する
買収監査で質問されやすい項目を先に想定する
不動産会社M&Aの買収監査では、財務資料だけでなく、免許、人材、管理物件、契約、顧客情報、広告、預り金、敷金、未収管理料、クレーム、訴訟、個人情報管理まで確認されます。候補先は、譲渡後に想定外の損失や法令上の問題が発生しないかを見ています。
質問されやすいのは、管理契約の解除条項、オーナー依存、専任宅建士の継続性、個人情報の管理、広告アカウントの名義、保証会社・保険会社との契約、未収金、預り金、敷金の管理、クレームや紛争の履歴です。
譲渡企業は、不利に見える項目を隠すのではなく、事実、金額、時期、対応状況、再発防止策を整理します。後から判明するより、初期段階で論点化した方が、候補先との信頼関係を作りやすくなります。
- 財務:未収金、預り金、敷金、広告費、管理料、部門別粗利を確認する
- 契約:媒介、管理、保証会社、保険会社、広告代理店との契約を整理する
- リスク:クレーム、紛争、個人情報、免許・届出、広告表示を確認する
成約後の引継ぎを具体化する
不動産会社M&Aは、契約締結後の引継ぎが特に重要です。オーナー説明、入居者対応、媒介中案件、広告アカウント、管理物件、保証会社、保険会社、金融機関、顧問士業との関係をどの順番で引き継ぐかを決めます。
管理物件ごとに、オーナー、物件名、戸数、契約形態、管理手数料、入居率、滞納、修繕予定、クレーム、担当者、注意点を一覧化します。売買や賃貸の進行案件については、顧客、物件、進捗、契約予定、重要事項説明、決済予定を整理します。
代表者や営業責任者が主要オーナーや紹介先を持っている場合、譲受企業候補への同行期間を決めます。引継ぎ表は成約前から作り始め、候補先の質問に応じて更新すると、最終契約後の混乱を抑えられます。
- 管理引継ぎ:オーナー、物件、戸数、管理料、担当者、注意点を整理する
- 仲介引継ぎ:進行案件、媒介、重要事項説明、契約予定、決済予定を整理する
- 同行:主要オーナー、紹介先、金融機関、保証会社への同行時期を決める
候補先から質問されたときの回答準備
M&Aの面談では、譲受企業候補から想定より細かい質問が出ることがあります。売上が伸びた理由、粗利が下がった理由、退職者が出た時期、主要取引先の契約更新、賃貸借の更新、設備投資の予定、代表者が残れる期間など、質問の多くは事業継続性を確認するためのものです。回答をその場の記憶だけに頼ると、後から数字や時期がずれる可能性があります。
譲渡企業は、よく聞かれる質問を想定して、回答メモを作っておくと実務が進めやすくなります。回答メモには、事実、背景、今後の対応、開示できる資料、専門家確認が必要な点を分けて書きます。不利に見える論点でも、なぜ起きたのか、現在はどう改善しているのか、譲渡後にどう引き継げるのかを説明できれば、候補先はリスクを測りやすくなります。
東京の中小企業では、地域金融機関、顧問税理士、主要取引先、賃貸人、従業員との関係が密接です。そのため、候補先からの質問は財務だけでなく、信用の引継ぎや現場運営に及びます。質問を受けたら、回答した内容、追加資料、未回答項目、次回までの確認事項を記録し、次の候補先にも同じ品質で説明できるようにします。
- 質問記録:候補先名、質問日、質問内容、回答、追加資料、未回答項目を残す
- 回答の粒度:事実、背景、今後の対応、専門家確認が必要な点を分ける
- 改善説明:弱点を隠すのではなく、改善状況と引継ぎ方法を説明する
- 再利用:複数候補から同じ質問が出る項目は、FAQや補足資料に反映する
相談後に社内で整理する優先順位
初回相談の後は、すぐ候補先へ提案するのではなく、社内で整理する優先順位を決めることが重要です。東京のM&A市場は候補先候補が多いため、準備が不十分なまま情報を出すと、質問対応に追われ、本業の時間を圧迫します。まずは、譲渡目的、希望条件、開示資料、専門家確認事項、候補先選定基準を分けて、次の一週間で確認することを決めます。
優先順位は、事業への影響が大きいものから決めます。従業員への説明が難しい会社では人材と説明計画を先に整理します。賃貸借や許認可に制約がある会社では契約と行政手続きを先に確認します。株主が複数いる会社では意思確認と手続きの確認を早めます。この順番を間違えると、価格交渉が進んだ後に重要論点が出て手戻りになることがあります。
M&Aは、資料を増やすこと自体が目的ではありません。譲渡企業が納得できる判断をするために、何を確認すればよいかを明確にすることが目的です。相談後の整理では、すぐ進める項目、専門家に確認する項目、候補先面談後に判断する項目、いったん保留する項目を分け、検討の負担を小さくしていきます。
- すぐ進める:決算、月次、人員表、契約一覧、借入一覧など手元で整理できる資料を集める
- 専門家確認:税務、法務、労務、許認可、株主構成は必要に応じて専門家へ確認する
- 面談後判断:価格目線、候補先範囲、代表者残留期間は候補先の反応も見ながら調整する
- 保留項目:情報開示リスクが高い資料は、NDAや候補先の真剣度を確認してから出す
基本合意前に確認する最終論点
候補先との話が進むと、基本合意に向けて条件をまとめる段階に入ります。この時点では、譲渡価格だけでなく、譲渡対象、役員退任、代表者の残留期間、従業員の処遇、取引先への説明、金融機関対応、買収監査の範囲、独占交渉期間、費用負担、契約締結までの予定を確認します。東京の中小企業では、候補先が複数出ることもありますが、条件の比較軸が曖昧だと、表面的な価格だけで判断しやすくなります。
基本合意は最終契約ではありませんが、その後の進行に大きな影響を与えます。独占交渉に入る場合、他の候補先との協議を止めることになるため、候補先の資金力、意思決定者、買収目的、買収監査体制、従業員・取引先への姿勢を確認しておく必要があります。譲渡企業が不安を抱えたまま独占交渉に入ると、後半で条件がずれたときに選択肢が狭くなります。
また、買収監査で追加論点が出ることを前提に、どの論点なら価格調整の対象になり、どの論点なら表明保証や補償条項で対応するのかを考えます。未払債務、契約承諾、許認可、労務、税務、個人情報、システム、在庫評価などは、業種によって重要度が変わります。法務・税務の判断は必ず専門家と確認し、譲渡企業だけで結論を急がないようにします。
条件比較では、譲渡価格、支払方法、従業員の雇用、社名や屋号の扱い、代表者の関与、引継ぎ期間、秘密保持、契約締結までの速度を横並びにします。価格が高い候補先でも、雇用や取引先対応に不安がある場合は慎重に見る必要があります。反対に、価格だけでは見劣りしても、地域理解や従業員対応が丁寧な候補先が、譲渡企業にとって納得しやすい相手になることもあります。最終的には、金額、安心感、実行確度を分けて判断することが重要です。その判断軸を事前に文章化しておくと、比較がぶれにくくなります。
- 条件表:価格、支払方法、雇用、社名、代表者残留、引継ぎ期間を横並びで比較する
- 独占交渉:候補先の資金力、意思決定者、監査体制、買収目的を確認してから判断する
- 監査論点:労務、税務、契約、許認可、在庫、個人情報、システムを事前に整理する
- 専門家確認:基本合意書、最終契約、表明保証、補償条項は専門家と確認する
東京の不動産会社M&Aで候補先が見たい実務資料
不動産会社のM&Aでは、候補先が見たい資料が比較的明確です。宅建業免許、事務所資料、専任宅建士、人員表、管理物件一覧、媒介契約一覧、売買・賃貸の反響経路、広告費、ポータルサイト契約、顧客情報管理、管理委託契約、保証会社・保険会社との契約、未収金、預り金、クレーム履歴を整理します。東京の不動産業は地域差が大きいため、どの沿線・駅・顧客層を得意としているかも重要です。
資料整理は、価格を高く見せるためだけの作業ではありません。譲渡後に免許、人材、管理物件、オーナー関係、顧客情報、広告運用が継続できるかを候補先が判断するための土台です。譲渡企業が不動産業特有の論点を先に整理しておくことで、候補先との対話が具体的になります。
- 免許・事務所:宅建業免許、事務所、専任宅建士、従業者名簿を整理する
- 管理物件:管理戸数、オーナー、契約形態、入居率、滞納率を確認する
- 仲介:媒介契約、反響、査定、成約率、広告アカウントを整理する
- データ:顧客情報、個人情報、システム、アカウント権限を確認する
譲渡企業の仲介手数料は成功報酬まで0円
東京M&A総合センターでは、譲渡企業から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計で初期相談を受け付けています。大手仲介会社では、案件規模にかかわらず最低成功報酬として2,500万円前後の水準が設定されることがあります。会社売却や事業承継を検討し始めた段階の経営者にとって、費用負担が検討の障壁にならないことは重要です。ただし、税務・法務・登記・許認可などの専門家費用が別途発生する場面はあるため、必要な範囲と発生時点は事前に確認してください。
費用が0円であることだけを理由に急いで進める必要はありません。秘密保持、候補先の選定、資料開示、従業員・取引先への説明順序を整えたうえで、譲渡企業にとって納得できる条件かを確認することが大切です。
よくある質問
宅建業免許はM&A後もそのまま使えますか?
スキーム、会社の状況、事務所、専任宅建士、届出内容によって確認事項が変わります。一般論で判断せず、行政書士や弁護士など専門家へ早めに確認してください。
管理物件が代表者個人の関係で成り立っていても相談できますか?
相談できます。ただし、主要オーナーとの関係、担当者、管理契約、説明時期、譲受企業候補への同行計画を整理する必要があります。
顧客情報やオーナー情報はいつ開示しますか?
初期段階では匿名化や集計値で説明し、具体名の開示はNDA、開示目的、候補先の真剣度を確認してから段階的に行います。
譲渡企業の費用はどのようになりますか?
東京M&A総合センターでは、譲渡企業の仲介手数料は着手金・中間金・月額報酬・成功報酬まで0円です。税務・法務・免許関連の専門家費用は別途確認してください。
