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東京で会社売却M&Aを検討する譲渡企業の準備手順

2026 7/06
コラム
2026年7月5日2026年7月6日
東京で会社売却M&Aを検討する譲渡企業の準備手順

狙うキーワード:東京 会社売却 M&A

東京で会社売却M&Aを検討する譲渡企業向けに、秘密保持、譲渡条件、商圏、人材、契約、資料開示、費用0円相談の準備手順を整理します。

東京で会社売却M&Aを考え始めた経営者にとって、最初の課題は「すぐに譲渡するか」ではなく、どの条件を守り、どの情報をいつ開示し、どのような譲受企業候補に事業価値を伝えるかを整理することです。都内の中小企業は、商圏、人材、賃貸借、金融機関、取引先、許認可が密接に絡むため、一般的な会社売却の説明だけでは判断しにくい場面があります。本記事では、譲渡企業の目線で、検討開始から候補先面談までの準備を実務的に整理します。

目次

この記事で整理すること

  • 東京で会社売却M&Aを検討する前に整理すべき目的と条件
  • 社名非開示、匿名概要、NDA、資料開示の順番
  • 都内商圏、人材、契約、許認可、金融機関対応の見える化
  • 大手他社で設定されることがある最低成功報酬との比較
  • 譲渡企業が仲介手数料0円で相談する際の確認事項

初期確認チェックリスト

M&Aの初期相談では、すべての資料がそろっていなくても進められます。ただし、次の項目を経営者自身の言葉で説明できると、相談先が譲渡企業の状況を把握しやすくなり、候補先に出す匿名概要や質問回答の精度も上がります。未整理の項目は無理に判断せず、確認事項として残すことが重要です。確認した日付と担当者も残しておくと、後続の資料更新がしやすくなります。

  • 譲渡理由:後継者不在、成長投資、代表者の年齢、事業の選択と集中など、検討理由を簡潔に説明する
  • 希望時期:今すぐ、半年後、1年後、数年以内など、事業と生活設計に合う時期を考える
  • 守りたい条件:雇用、社名、取引先、地域での信用、代表者の残留期間を価格条件と分けて整理する
  • 主要資料:決算書、月次、顧客別売上、人員表、契約一覧、借入一覧、許認可資料の有無を確認する
  • 候補先像:同業、周辺業種、地域企業、首都圏の成長企業など、事業を託しやすい相手の条件を考える
  • 不安点:情報漏えい、従業員説明、取引先対応、税務、法務、価格目線などを率直に書き出す
  • 相談範囲:社名非開示で話す内容、NDA後に開示する内容、専門家確認が必要な内容を分ける

会社売却M&Aの目的を短い言葉にする

東京の会社売却M&Aでは、譲渡価格だけを先に決めようとすると、候補先との対話がかえって難しくなります。後継者不在、成長投資、人材採用、代表者の引退時期、従業員の将来など、何を解決したいのかを一文で説明できる状態にしておくと、初回相談の精度が上がります。

目的が曖昧なまま候補先に会うと、価格の話だけが前に出て、守りたい条件が後回しになりやすくなります。たとえば社名の継続、従業員の雇用、取引先への説明時期、代表者の残留期間は、譲渡企業にとって価格と同じくらい重要な条件です。

東京は譲受企業候補の数が多い一方で、同業、周辺業種、地域企業、投資会社、事業会社の新規参入など候補先の性格も幅広くなります。目的を絞っておくことで、候補先探索の幅を保ちながら、合わない先に情報を出しすぎるリスクを抑えられます。

  • 目的:後継者不在、成長投資、代表者の退任、従業員の将来などを一文で整理する
  • 守りたい条件:雇用、社名、取引先、ブランド、代表者の残留期間を価格と分けて書き出す
  • 候補先の方向性:同業だけでなく、隣接業種や首都圏企業まで含めて比較できる状態にする

社名非開示で話せる情報を決める

会社売却M&Aの初期段階では、社名や所在地を伏せたまま概要を説明することが通常です。東京の中小企業では、取引先や従業員、地域金融機関との距離が近いことも多く、情報管理を誤ると本業に影響します。匿名概要で出せる情報と、NDA後に出す情報を分けておく必要があります。

匿名概要では、業種、地域の大枠、売上規模、利益水準、従業員数、譲渡理由、強みを伝えます。ただし、主要取引先名、具体的な駅名、特殊な設備名、代表者の個人情報などは、特定につながる場合があります。資料作成時は、情報を出す意味とリスクを一つずつ確認します。

NDA締結後も、すべての資料を一度に開示する必要はありません。初期面談、意向表明、基本合意、買収監査の段階で開示範囲を広げる設計にしておくと、譲渡企業の安心感と候補先の検討速度を両立しやすくなります。

  • 匿名概要:特定されにくい範囲で事業の魅力と規模感を伝える
  • NDA後資料:決算書、月次、契約一覧、人員表などを段階的に開示する
  • 開示管理:誰に、いつ、何を、どのファイル名で渡したかを記録する

東京の商圏を譲受企業候補の言葉で説明する

都内の会社売却では、商圏の説明が単なる住所紹介にならないよう注意が必要です。港区や中央区の法人需要、城南エリアの製造・物流導線、城東の生活関連需要、多摩地域の地元密着型取引など、地域によって譲受企業候補が見るポイントは変わります。

譲渡企業が当たり前だと思っている地域の強みは、外部の候補先には伝わりにくいものです。駅前の認知度、紹介経路、地元顧客の継続率、法人顧客の決裁者との関係、近隣競合との差別化を文章と数字で整理しておくと、決算書だけでは見えない価値を説明できます。

商圏を説明するときは、過度な成長予測を置く必要はありません。現時点の売上がどの顧客層から生まれているか、どの導線で問い合わせが来るか、引継ぎ後も継続しやすい要因は何かを明確にする方が、候補先にとって判断しやすい資料になります。

  • 地域:区名だけでなく、駅、商業導線、法人集積、生活圏の特徴を整理する
  • 顧客:固定客、紹介、法人契約、Web問い合わせの比率を把握する
  • 競合:価格、品質、対応速度、立地、専門性の違いを短く説明する

人材と役割を見える化する

東京の中小企業では、代表者や一部のキーマンに業務が集中していることがあります。譲受企業候補は、決算書の数字だけでなく、誰が顧客対応を行い、誰が現場判断をし、誰が採用や教育を担っているかを確認します。人材の継続性は価格や条件に直結します。

人員表は、氏名を伏せた段階でも作れます。役割、雇用形態、勤続年数、保有資格、担当顧客、代替可能性、退職リスクを整理しておくと、候補先は引継ぎ後の運営を具体的にイメージできます。特に資格者や店長、営業責任者、技術者がいる場合は、処遇と説明順序も重要です。

従業員への説明は、早すぎても遅すぎても混乱を招きます。基本合意前後、最終契約前、クロージング後など、どの段階で誰に何を伝えるかを事前に設計しておくと、雇用継続の不安を抑えやすくなります。

  • 人員表:役割、勤続年数、資格、担当業務、雇用形態を整理する
  • キーマン:残留可能性、処遇、引継ぎ範囲を候補先と確認する
  • 説明順序:従業員、取引先、金融機関への説明時期を分けて設計する

決算書と月次資料を候補先が読める形に整える

会社売却M&Aでは、決算書の提出だけでは不十分です。譲受企業候補は、売上の季節性、粗利の変動、人件費、外注費、役員報酬、保険、交際費、設備投資、借入返済の状況を見ます。東京の中小企業では、事業用と個人用の支出が混在している場合もあるため、正常収益力の説明が重要です。

月次試算表、売上推移、顧客別売上、商品別粗利、部門別損益があると、候補先の検討速度は上がります。反対に、資料がない場合でも、代表者の頭の中にある情報を表に落とし込むだけで、初期判断はしやすくなります。

税務上の判断や役員退職金、株式譲渡と事業譲渡の税負担は、個別事情によって変わります。本記事では一般的な整理にとどめ、実際の判断は税理士、弁護士、司法書士など専門家と確認する前提で進める必要があります。

  • 月次:直近12か月から36か月の売上、粗利、営業利益を見える化する
  • 正常化:一過性費用、役員報酬、私的経費、設備更新を説明できるようにする
  • 専門家確認:税務・法務・登記は一般論で判断せず、個別に確認する

契約・許認可・賃貸借を先に棚卸しする

譲受企業候補が重視するのは、事業が契約上きちんと引き継げるかです。取引基本契約、賃貸借契約、保守契約、代理店契約、フランチャイズ契約、許認可、資格者、リース、借入、担保、保証を一覧化しておくと、買収監査での論点が整理しやすくなります。

特に賃貸借契約は、株式譲渡では会社が継続するため形式上は契約主体が変わらない場合がありますが、契約書に実質的支配者変更や事前承諾に関する条項が入っていることがあります。事業譲渡では個別承継が必要になる場面もあるため、契約形態に応じて確認が必要です。

許認可や資格者が絡む事業では、譲渡後も同じ条件で事業を継続できるかが重要です。行政手続きや届出の要否は業種ごとに異なるため、候補先との条件交渉前に論点を洗い出しておくと、後半の手戻りを減らせます。

  • 契約一覧:契約名、相手方、期間、解除条項、承諾要否を一覧にする
  • 賃貸借:名義、保証金、更新時期、用途制限、承諾条項を確認する
  • 許認可:資格者、届出、行政手続き、営業継続条件を専門家と確認する

代表者依存を下げる準備を始める

会社売却M&Aでよく見られる不安は、代表者が抜けた後に売上が落ちないかという点です。東京の中小企業では、代表者の紹介、地域の信用、金融機関との関係、長年の顧客対応が価値を支えていることが多く、そのままでは譲受企業候補がリスクを大きく見積もることがあります。

代表者依存をゼロにする必要はありません。重要なのは、どの業務が代表者に集中しているか、誰にどの順番で移せるか、引継ぎ期間中に何を同行するかを説明できることです。顧客訪問、見積承認、採用面談、金融機関対応、仕入先交渉などを分解します。

残留期間は、譲渡企業の生活設計と候補先の安心感の両方に関わります。半年、1年、2年など期間だけで決めず、週何日関与するか、肩書をどうするか、意思決定権限をいつ移すかまで決めると、条件調整が進みやすくなります。

  • 業務分解:顧客、見積、採用、金融機関、仕入先、品質管理を分ける
  • 移管先:役員、幹部社員、譲受企業側担当者へ順番に引き継ぐ
  • 残留条件:期間、関与日数、報酬、肩書、決裁権限を明確にする

譲渡スキームを早めに比較する

中小企業M&Aでは株式譲渡が使われることが多い一方、事業譲渡、会社分割、持株会社化などが検討される場面もあります。会社に残したい資産や負債がある場合、許認可や契約承継に制約がある場合、複数事業の一部だけを譲渡したい場合は、スキーム比較が必要です。

株式譲渡は会社そのものの支配権が移るため、契約や雇用が継続しやすい面があります。一方で、過去の税務、労務、契約、簿外債務も含めて確認対象になりやすいです。事業譲渡は対象資産や契約を選べる一方、個別承継の手続きが増えます。

どの方法がよいかは、会社の状況、株主構成、税務、許認可、譲受企業候補の希望によって変わります。初期段階では一つに決め切らず、候補先に説明できる選択肢を整理しておくことが現実的です。

  • 株式譲渡:会社全体を承継しやすいが、過去論点も確認対象になる
  • 事業譲渡:対象を選べるが、契約・雇用・許認可の個別承継に注意する
  • 株主構成:少数株主、相続株式、名義株の有無を早めに確認する

候補先面談で話す順番を決める

候補先面談は、譲渡企業が一方的に評価される場ではありません。事業を託せる相手か、従業員や取引先を大切にできるか、資金力と運営力があるか、東京の地域性を理解しているかを確認する場でもあります。

初回面談では、会社の歴史、顧客、強み、課題、譲渡理由、希望条件を簡潔に伝えます。詳細な価格交渉に入る前に、候補先が何を実現したいのか、譲渡後に何を変え、何を残したいのかを確認することが重要です。

面談後は、質問内容を記録します。同じ質問が複数の候補先から出る場合、その論点は資料上の説明が不足している可能性があります。FAQや補足資料を整えることで、次の候補先との面談品質も上がります。

  • 話す内容:会社の歴史、強み、課題、譲渡理由、希望条件を整理する
  • 聞く内容:譲渡後の運営方針、雇用方針、資金力、意思決定者を確認する
  • 記録:質問、懸念、回答、追加資料の要否を面談ごとに残す

費用負担が検討を止めないようにする

会社売却M&Aを検討する段階で、仲介会社の費用体系がわかりにくいと相談自体が止まってしまいます。着手金、中間金、月額報酬、成功報酬、最低成功報酬、専門家費用の区別を早めに確認することが大切です。

大手他社では最低成功報酬として2,500万円前後の水準が設定されることがあり、譲渡価格が大きくない中小企業にとっては重い負担になる場合があります。東京M&A総合センターでは譲渡企業の仲介手数料を成功報酬まで0円とし、初期検討の心理的な障壁を下げる設計にしています。

一方で、費用0円という言葉だけで判断するのではなく、どの業務が対象か、候補先探索の方針、利益相反管理、契約の解約条件、専門家費用の扱いを確認する必要があります。透明性がある説明かどうかが重要です。

  • 費用項目:着手金、中間金、月額報酬、成功報酬、最低成功報酬を分けて確認する
  • 0円の範囲:譲渡企業の仲介手数料がどこまで0円かを書面で確認する
  • 専門家費用:税理士、弁護士、司法書士などの費用は別途確認する

検討を急がせる表現に注意する

M&Aは重要な経営判断であり、短期間で決めればよいというものではありません。東京の市場は候補先が多い一方で、情報が広がる速度も速いため、急いで候補先を広げすぎると管理が難しくなります。

譲渡企業にとって大切なのは、いつまでに何を確認すれば次の判断ができるかを明確にすることです。初期相談、匿名提案、NDA、面談、意向表明、基本合意、買収監査、最終契約の各段階で、判断材料とリスクを整理します。

「必ず高く売れる」「すぐ成約する」といった保証表現は避けるべきです。譲渡条件は業績、業種、候補先、契約、金融環境、タイミングによって変わります。現実的な情報整理と候補先選定を積み重ねることが、納得できる条件に近づく方法です。

  • 判断段階:初期相談から最終契約まで、各段階の判断材料を分ける
  • 情報管理:候補先の数を広げる前に、NDAと開示範囲を確認する
  • 保証回避:価格や成約を保証する表現ではなく、検討材料を具体化する

初期データルームを小さく作る

会社売却M&Aでは、候補先が増える前に資料置き場と開示ルールを整えることが重要です。大がかりなシステムを最初から用意する必要はありませんが、決算、月次、人員、契約、顧客、設備、許認可、借入、株主に関する資料を分類し、どの段階で開示するかを決めておくと、候補先対応が安定します。

東京の中小企業では、日々の業務が忙しく、候補先から質問が来てから資料を探すことも珍しくありません。しかし、その都度探していると、回答の遅れや資料の抜け漏れが候補先の不安につながります。最初に小さなデータルームを作り、ファイル名と更新日をそろえるだけでも、検討の信頼感は変わります。

開示資料には、個人情報、取引先情報、価格条件、未確定の社内メモが含まれることがあります。閲覧権限、ダウンロード可否、開示履歴、返却・削除の扱いを決め、NDAの範囲と矛盾しないように運用します。情報管理の丁寧さは、譲渡企業側でもを守るだけでなく、候補先に対する事業管理力の説明にもなります。

  • 分類:決算、月次、人員、契約、顧客、設備、許認可、借入、株主に分ける
  • 開示段階:匿名提案、NDA後、面談後、意向表明後、買収監査で資料を分ける
  • 管理:ファイル名、更新日、閲覧者、質問履歴を記録する

初回相談前に経営者が用意するメモ

初回相談では、完璧な資料よりも、経営者の考えが整理されていることが役に立ちます。会社売却を検討する理由、理想の時期、譲れない条件、不安な点、従業員への思い、取引先への影響、候補先に期待することをA4一枚程度にまとめておくと、相談時間を有効に使えます。

東京の会社売却M&Aでは、候補先の数が多いからこそ、相談先に自社の意図を正確に伝える必要があります。価格を高くしたい、雇用を守りたい、ブランドを残したい、代表者は一定期間残れる、逆に早く退きたいなど、条件の優先順位を明確にしておくと、候補先探索の方針がぶれにくくなります。

相談時点で未整理の点があっても問題ありません。重要なのは、何が未整理かを把握し、次回までに確認する項目を決めることです。税務、法務、労務、許認可、株主構成など専門家確認が必要な論点は、無理にその場で判断せず、確認事項として残します。

  • 目的メモ:譲渡理由、理想時期、残したい条件、不安点を一枚にまとめる
  • 優先順位:価格、雇用、社名、取引先、代表者残留の順番を決める
  • 確認事項:専門家確認が必要な論点を相談時に切り分ける

候補先から質問されたときの回答準備

M&Aの面談では、譲受企業候補から想定より細かい質問が出ることがあります。売上が伸びた理由、粗利が下がった理由、退職者が出た時期、主要取引先の契約更新、賃貸借の更新、設備投資の予定、代表者が残れる期間など、質問の多くは事業継続性を確認するためのものです。回答をその場の記憶だけに頼ると、後から数字や時期がずれる可能性があります。

譲渡企業は、よく聞かれる質問を想定して、回答メモを作っておくと実務が進めやすくなります。回答メモには、事実、背景、今後の対応、開示できる資料、専門家確認が必要な点を分けて書きます。不利に見える論点でも、なぜ起きたのか、現在はどう改善しているのか、譲渡後にどう引き継げるのかを説明できれば、候補先はリスクを測りやすくなります。

東京の中小企業では、地域金融機関、顧問税理士、主要取引先、賃貸人、従業員との関係が密接です。そのため、候補先からの質問は財務だけでなく、信用の引継ぎや現場運営に及びます。質問を受けたら、回答した内容、追加資料、未回答項目、次回までの確認事項を記録し、次の候補先にも同じ品質で説明できるようにします。

  • 質問記録:候補先名、質問日、質問内容、回答、追加資料、未回答項目を残す
  • 回答の粒度:事実、背景、今後の対応、専門家確認が必要な点を分ける
  • 改善説明:弱点を隠すのではなく、改善状況と引継ぎ方法を説明する
  • 再利用:複数候補から同じ質問が出る項目は、FAQや補足資料に反映する

相談後に社内で整理する優先順位

初回相談の後は、すぐ候補先へ提案するのではなく、社内で整理する優先順位を決めることが重要です。東京のM&A市場は候補先候補が多いため、準備が不十分なまま情報を出すと、質問対応に追われ、本業の時間を圧迫します。まずは、譲渡目的、希望条件、開示資料、専門家確認事項、候補先選定基準を分けて、次の一週間で確認することを決めます。

優先順位は、事業への影響が大きいものから決めます。従業員への説明が難しい会社では人材と説明計画を先に整理します。賃貸借や許認可に制約がある会社では契約と行政手続きを先に確認します。株主が複数いる会社では意思確認と手続きの確認を早めます。この順番を間違えると、価格交渉が進んだ後に重要論点が出て手戻りになることがあります。

M&Aは、資料を増やすこと自体が目的ではありません。譲渡企業が納得できる判断をするために、何を確認すればよいかを明確にすることが目的です。相談後の整理では、すぐ進める項目、専門家に確認する項目、候補先面談後に判断する項目、いったん保留する項目を分け、検討の負担を小さくしていきます。

  • すぐ進める:決算、月次、人員表、契約一覧、借入一覧など手元で整理できる資料を集める
  • 専門家確認:税務、法務、労務、許認可、株主構成は必要に応じて専門家へ確認する
  • 面談後判断:価格目線、候補先範囲、代表者残留期間は候補先の反応も見ながら調整する
  • 保留項目:情報開示リスクが高い資料は、NDAや候補先の真剣度を確認してから出す

基本合意前に確認する最終論点

候補先との話が進むと、基本合意に向けて条件をまとめる段階に入ります。この時点では、譲渡価格だけでなく、譲渡対象、役員退任、代表者の残留期間、従業員の処遇、取引先への説明、金融機関対応、買収監査の範囲、独占交渉期間、費用負担、契約締結までの予定を確認します。東京の中小企業では、候補先が複数出ることもありますが、条件の比較軸が曖昧だと、表面的な価格だけで判断しやすくなります。

基本合意は最終契約ではありませんが、その後の進行に大きな影響を与えます。独占交渉に入る場合、他の候補先との協議を止めることになるため、候補先の資金力、意思決定者、買収目的、買収監査体制、従業員・取引先への姿勢を確認しておく必要があります。譲渡企業が不安を抱えたまま独占交渉に入ると、後半で条件がずれたときに選択肢が狭くなります。

また、買収監査で追加論点が出ることを前提に、どの論点なら価格調整の対象になり、どの論点なら表明保証や補償条項で対応するのかを考えます。未払債務、契約承諾、許認可、労務、税務、個人情報、システム、在庫評価などは、業種によって重要度が変わります。法務・税務の判断は必ず専門家と確認し、譲渡企業だけで結論を急がないようにします。

条件比較では、譲渡価格、支払方法、従業員の雇用、社名や屋号の扱い、代表者の関与、引継ぎ期間、秘密保持、契約締結までの速度を横並びにします。価格が高い候補先でも、雇用や取引先対応に不安がある場合は慎重に見る必要があります。反対に、価格だけでは見劣りしても、地域理解や従業員対応が丁寧な候補先が、譲渡企業にとって納得しやすい相手になることもあります。最終的には、金額、安心感、実行確度を分けて判断することが重要です。その判断軸を事前に文章化しておくと、比較がぶれにくくなります。

  • 条件表:価格、支払方法、雇用、社名、代表者残留、引継ぎ期間を横並びで比較する
  • 独占交渉:候補先の資金力、意思決定者、監査体制、買収目的を確認してから判断する
  • 監査論点:労務、税務、契約、許認可、在庫、個人情報、システムを事前に整理する
  • 専門家確認:基本合意書、最終契約、表明保証、補償条項は専門家と確認する

東京の会社売却M&Aで地域別に見られやすい論点

都心部の専門サービス業では、法人顧客との関係、担当者の継続、契約更新時期が見られます。城南エリアの製造・物流関連では、設備、技術者、賃貸借、近隣取引先との関係が重要です。城東・城北の生活関連事業では、地域の固定客、口コミ、紹介経路、店長や現場責任者の継続性が評価されます。

多摩地域や郊外型の事業では、地元金融機関、商工団体、長年の取引先との信頼が価値になります。譲受企業候補が都心企業の場合、地域性を理解できないまま価格だけで判断することがあるため、顧客の継続理由や紹介網を資料で補足すると伝わりやすくなります。

  • 都心部:法人顧客、専門人材、契約更新、オフィス賃料を確認する
  • 城南・湾岸:製造、物流、設備、配送導線、近隣事業者との関係を整理する
  • 城東・城北:生活密着、固定客、口コミ、地域紹介の継続性を説明する
  • 多摩地域:地元金融機関、商工団体、主要取引先との関係を見える化する

譲渡企業の仲介手数料は成功報酬まで0円

東京M&A総合センターでは、譲渡企業から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計で初期相談を受け付けています。大手仲介会社では、案件規模にかかわらず最低成功報酬として2,500万円前後の水準が設定されることがあります。会社売却や事業承継を検討し始めた段階の経営者にとって、費用負担が検討の障壁にならないことは重要です。ただし、税務・法務・登記・許認可などの専門家費用が別途発生する場面はあるため、必要な範囲と発生時点は事前に確認してください。

費用が0円であることだけを理由に急いで進める必要はありません。秘密保持、候補先の選定、資料開示、従業員・取引先への説明順序を整えたうえで、譲渡企業にとって納得できる条件かを確認することが大切です。

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よくある質問

まだ会社売却を決めていなくても相談できますか?

相談できます。初期段階では、譲渡するかどうかを決める前に、企業価値の見え方、守りたい条件、候補先の方向性、情報管理の方法を整理することが目的になります。

従業員に知られずに検討できますか?

初期検討では、社名非開示の匿名概要とNDAを使って進めることが一般的です。ただし、最終的には説明が必要になるため、時期、順番、伝える内容を事前に設計します。

会社売却M&Aでは株式譲渡と事業譲渡のどちらがよいですか?

会社の状況によって異なります。契約、許認可、株主構成、税務、負債、残したい資産によって判断が変わるため、一般論ではなく専門家確認を前提に比較する必要があります。

譲渡企業の仲介手数料0円でも十分に支援してもらえますか?

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