狙うキーワード:東京 運送業 M&A
東京の運送業M&Aを検討する譲渡企業向けに、運送業許可、車両、ドライバー、点呼、労務、荷主、協力会社、手数料0円相談の論点を整理します。
東京の運送業M&Aでは、決算書の売上や利益だけでなく、一般貨物自動車運送事業の許可、営業所・車庫、車両、ドライバー、運行管理者、整備管理者、点呼、アルコールチェック、労務時間、荷主との契約、協力会社、燃料費、事故履歴が候補先の判断に影響します。人手不足や2024年問題を背景にM&Aを検討する譲渡企業は、運送業特有の承継論点を早めに整理しておく必要があります。本記事では、東京都内の運送会社がM&Aを検討する際に確認すべき実務を、譲渡企業の目線で整理します。
この記事で整理すること
- 東京の運送業M&Aで候補先が確認する許可・営業所・車庫
- ドライバー、運行管理者、整備管理者、点呼・労務管理の承継論点
- 車両、リース、燃料費、事故履歴、保険、整備記録の確認事項
- 荷主、元請、協力会社、配送ルート、倉庫・拠点の見える化
- 譲渡企業の仲介手数料0円で初期相談する際の実務準備
初期確認チェックリスト
M&Aの初期相談では、すべての資料がそろっていなくても進められます。ただし、次の項目を経営者自身の言葉で説明できると、相談先が譲渡企業の状況を把握しやすくなり、候補先に出す匿名概要や質問回答の精度も上がります。未整理の項目は無理に判断せず、確認事項として残すことが重要です。確認した日付と担当者も残しておくと、後続の資料更新がしやすくなります。
- 譲渡理由:後継者不在、成長投資、代表者の年齢、事業の選択と集中など、検討理由を簡潔に説明する
- 希望時期:今すぐ、半年後、1年後、数年以内など、事業と生活設計に合う時期を考える
- 守りたい条件:雇用、社名、取引先、地域での信用、代表者の残留期間を価格条件と分けて整理する
- 主要資料:決算書、月次、顧客別売上、人員表、契約一覧、借入一覧、許認可資料の有無を確認する
- 候補先像:同業、周辺業種、地域企業、首都圏の成長企業など、事業を託しやすい相手の条件を考える
- 不安点:情報漏えい、従業員説明、取引先対応、税務、法務、価格目線などを率直に書き出す
- 相談範囲:社名非開示で話す内容、NDA後に開示する内容、専門家確認が必要な内容を分ける
運送業M&Aは許可・人材・車両の承継が中心になる
東京の運送業M&Aでは、売上規模や利益だけでは候補先の判断材料として不十分です。一般貨物自動車運送事業の許可、営業所、休憩・睡眠施設、車庫、車両数、運行管理者、整備管理者、ドライバーの継続性が重要になります。
運送会社の価値は、荷主との関係、配送品質、事故の少なさ、ドライバーの定着、車両整備、点呼やアルコールチェックの運用、配送ルートの効率性に表れます。これらは決算書だけでは見えにくいため、譲渡企業が資料として整理する必要があります。
候補先は、譲渡後に許可や運行体制を維持できるか、ドライバーが残るか、荷主が継続するか、車両・車庫・営業所をそのまま使えるかを確認します。早い段階で論点を整理しておくことが、条件交渉の安定につながります。
- 許可:一般貨物自動車運送事業の許可、営業所、車庫、休憩施設を確認する
- 人材:ドライバー、運行管理者、整備管理者、配車担当の継続性を整理する
- 車両:所有、リース、年式、走行距離、整備記録、保険、事故履歴を確認する
運送業許可と営業所・車庫を確認する
運送業M&Aで最初に確認されるのは、許可と拠点の状態です。一般貨物自動車運送事業の許可内容、営業所、車庫、休憩・睡眠施設、運行管理体制、車両数が候補先の検討材料になります。
営業所や車庫が賃貸の場合、賃貸借契約の名義、更新時期、用途、承諾条項、保証金、近隣との関係を確認します。東京では車庫用地の確保が難しいため、車庫が安定して使えるかは大きな価値になります。
許可や車庫の扱いは、譲渡スキーム、会社の状態、営業所所在地、運輸支局への手続きによって確認事項が変わります。本記事は一般的な整理であり、実際の判断は行政書士、弁護士、税理士など専門家へ確認する前提で進めます。
- 許可内容:許可書、営業所、車庫、休憩・睡眠施設、車両数を整理する
- 賃貸借:車庫・営業所の契約名義、更新時期、承諾条項、保証金を確認する
- 専門家確認:許可、変更届、譲渡スキーム別の扱いは専門家に確認する
ドライバーと配車担当の継続性を見る
運送業M&Aでは、ドライバーが何人いるかだけでなく、どの荷主・ルートを誰が担当し、配車を誰が組み、事故や遅延の対応を誰が担っているかが確認されます。人材の継続性は、譲渡後の売上維持に直結します。
東京の運送業では、採用難、年齢構成、残業規制、配送時間帯、都心部の駐車・搬入条件が運営に影響します。代表者や配車担当に業務が集中している場合、候補先は承継後の運行リスクを大きく見ます。
人員表は、個人情報に配慮しながら、役割、勤続、免許、担当荷主、担当ルート、雇用形態、年齢層、残留可能性、退職リスクを整理します。特に運行管理者や整備管理者は、許可・運行体制にも関わるため重要です。
- 人員表:役割、免許、勤続、担当ルート、雇用形態、残留可能性を整理する
- 配車:配車担当、代替担当、繁忙期対応、急な欠員時の対応を確認する
- 属人性:代表者や配車担当に集中する業務を分解し、引継ぎ計画を作る
運行管理者・整備管理者・点呼体制を整理する
運送業では、運行管理者と整備管理者の体制が重要です。候補先は、資格者の人数、選任状況、補助者、点呼の運用、アルコールチェック、健康状態確認、運転日報の管理状況を確認します。
点呼が形式だけになっていないか、対面点呼・IT点呼・遠隔点呼の運用、記録保存、アルコール検知器の管理、車両点検、事故時対応がどのように行われているかを整理します。これらは法令順守と事故リスクに直結します。
運行管理の実態は、候補先が特に重視する項目です。過去に行政処分、監査指摘、改善命令、事故があった場合は、時期、内容、対応、再発防止策を整理し、隠さず説明できる状態にします。
- 運行管理:選任状況、補助者、点呼、アルコールチェック、日報管理を確認する
- 整備管理:車両点検、整備記録、タイヤ・消耗品、修繕計画を整理する
- 行政対応:処分、監査指摘、事故、改善状況、再発防止策を確認する
車両・リース・整備記録を一覧化する
運送業M&Aでは、車両の状態が候補先の価格判断に影響します。所有車両、リース車両、ローン残高、年式、走行距離、整備状況、車検、保険、事故歴、ドラレコやデジタコの有無を一覧にします。
東京では、車両の種類、車庫の立地、配送エリア、環境規制、都心部の搬入条件が運営に影響します。小型車、2トン、4トン、大型、冷凍冷蔵、平ボディ、ウイングなど、車両構成と荷主ニーズが合っているかも確認されます。
老朽車両が多い場合、候補先は更新投資を見込みます。反対に、整備記録が整い、稼働率が高く、荷主の案件に合う車両構成であれば、決算書だけでは見えない価値として説明できます。
- 車両一覧:車種、年式、走行距離、所有・リース、車検、保険、事故歴を整理する
- 整備:点検記録、修繕履歴、消耗品、タイヤ、今後の更新予定を確認する
- 稼働率:車両ごとの稼働、担当荷主、配送エリア、休車状況を整理する
荷主・元請・協力会社との関係を棚卸しする
運送会社の価値は、荷主や元請との関係に大きく左右されます。東京では、EC、食品、建材、医療関連、店舗配送、企業間配送、スポット便など需要が多様で、荷主ごとに収益性や拘束時間が異なります。
主要荷主、元請、協力会社について、売上比率、取引年数、契約形態、運賃単価、燃料サーチャージ、支払条件、担当者、継続可能性を整理します。特定荷主への依存が高い場合は、リスクとして示しつつ、関係継続の根拠を説明します。
協力会社や傭車先との関係も重要です。繁忙期や欠員時に外部車両を確保できるか、支払条件、品質、事故対応、代替先があるかを整理しておくと、候補先は承継後の運営をイメージしやすくなります。
- 荷主:売上比率、取引年数、単価、燃料サーチャージ、継続可能性を確認する
- 元請:契約形態、担当者、更新時期、解除条項、支払条件を整理する
- 協力会社:傭車先、支払条件、品質、事故対応、代替先を確認する
配送ルートと採算を見える化する
運送業M&Aでは、ルート別・荷主別の採算が重要です。売上が大きくても、待機時間、積み下ろし、拘束時間、燃料費、高速代、傭車費、車両償却、人件費を含めると、実質的な利益が薄い案件もあります。
配送ルートごとに、荷主、車両、ドライバー、走行距離、拘束時間、積載率、待機時間、運賃、燃料費、高速代、外注費、粗利を整理します。候補先は、どの案件を伸ばし、どの案件を見直すべきかを確認します。
東京では、都心配送、湾岸エリア、羽田・大田・品川・江東周辺、多摩方面、埼玉・神奈川・千葉への近距離配送など、エリア特性が採算に影響します。地域ごとの運行効率も説明できるようにします。
- ルート別採算:売上、拘束時間、走行距離、燃料費、高速代、粗利を整理する
- 荷主別採算:単価、待機時間、積み下ろし、追加料金、燃料費調整を確認する
- 地域性:都心、湾岸、多摩、近県配送ごとの効率と課題を説明する
労務時間と2024年問題への対応を確認する
運送業M&Aでは、労務時間の管理が候補先の重要な確認項目になります。時間外労働、拘束時間、休息期間、休日、点呼記録、運転日報、デジタコ、勤怠システムの整備状況を確認します。
2024年問題を背景に、ドライバーの働き方、長距離運行、待機時間、荷主との単価交渉が収益性に影響しています。候補先は、譲渡後に法令順守をしながら同じ売上を維持できるかを見ます。
未払残業や労務管理の問題は、専門家確認が必要です。過去に未整備の点がある場合は、金額、時期、改善状況、今後の運用を整理します。一般論だけで判断せず、社会保険労務士や弁護士へ確認する前提で進めます。
- 労務時間:拘束時間、休息期間、時間外労働、休日、勤怠記録を確認する
- 2024年問題:待機時間、長距離運行、荷主交渉、単価改定の状況を整理する
- 専門家確認:未払残業、就業規則、労務リスクは専門家に確認する
燃料費と単価交渉の履歴を整理する
運送業M&Aでは、燃料費の上昇を運賃へ転嫁できているかが収益性に影響します。候補先は、燃料サーチャージの有無、単価改定の履歴、荷主との交渉状況、待機時間や附帯作業の料金化を確認します。
燃料費が上がっているのに単価が据え置かれている場合、決算書上の利益が今後も続くとは限りません。荷主別に、単価改定時期、改定率、交渉担当者、燃料費調整条項、待機料、荷役料、キャンセル料の扱いを整理します。
譲渡企業が単価交渉の履歴を説明できると、候補先は譲渡後の改善余地を判断しやすくなります。逆に、荷主との関係上すぐに改定できない場合は、その理由と今後の交渉余地を明確にしておくことが重要です。
- 燃料費:燃料サーチャージ、価格転嫁、燃料カード、月次推移を整理する
- 単価改定:荷主別の改定履歴、交渉担当、改定率、次回交渉時期を確認する
- 附帯作業:待機料、荷役料、キャンセル料、再配達費用の扱いを確認する
事故履歴・保険・安全教育を整理する
運送業では、事故履歴と安全管理が企業価値に影響します。候補先は、事故件数、事故内容、保険料、免責、再発防止策、ドライバー教育、ドラレコ活用、ヒヤリハットの記録を確認します。
事故があること自体よりも、どのように対応し、再発防止をしているかが重要です。事故の時期、原因、損害額、保険対応、荷主への説明、行政対応、教育内容を整理します。
安全教育の資料、点呼記録、適性診断、健康診断、睡眠時無呼吸症候群の確認、アルコールチェックの運用なども、候補先にとって重要な判断材料になります。
- 事故履歴:件数、内容、損害額、保険対応、荷主対応、再発防止策を整理する
- 保険:自動車保険、貨物保険、保険料、免責、事故による影響を確認する
- 安全教育:点呼、適性診断、健康診断、教育記録、ヒヤリハットを整理する
倉庫・積替え・保管業務がある場合の確認事項
運送会社によっては、倉庫、積替え、一時保管、流通加工、検品、梱包を行っている場合があります。この場合、単なる運送業ではなく、物流機能としての価値を候補先に説明できます。
倉庫や保管スペースが賃貸の場合、契約名義、用途、更新時期、賃料、保証金、消防・安全、搬入条件を確認します。保管商品によっては、温度管理、衛生管理、棚卸、在庫責任、保険の確認も必要です。
倉庫業登録や関連する許認可が必要になる業務がある場合は、一般論で判断せず、専門家や行政窓口に確認してください。M&A後に同じ業務を継続できるかは、候補先にとって重要な論点になります。
- 倉庫:契約名義、用途、賃料、保証金、更新時期、搬入条件を確認する
- 保管:温度管理、棚卸、在庫責任、保険、荷主契約を整理する
- 許認可:登録や許可が関わる業務は専門家へ確認する
代表者依存と配車ノウハウを分解する
中小運送会社では、代表者が荷主営業、配車、ドライバー対応、事故対応、金融機関対応を一人で担っていることがあります。候補先は、代表者が退任した後に同じ運行品質を維持できるかを確認します。
配車ノウハウは、単なる担当者の経験ではなく、荷主ごとの時間指定、積み地、降ろし地、待機時間、ドライバーの相性、車両制限、道路事情、繁忙期対応の蓄積です。これを言語化できると、候補先の安心感が上がります。
代表者依存をゼロにする必要はありません。重要なのは、どの業務を誰に移すか、どの荷主へ同行するか、どの期間で譲受企業候補へ権限を移すかを説明できる状態にすることです。
- 営業:荷主、元請、紹介、スポット便、既存契約の営業ルートを整理する
- 配車:時間指定、積み地、車両制限、ドライバー相性、繁忙期対応を資料化する
- 移管:荷主同行、配車権限、事故対応、金融機関対応の移管時期を決める
東京の運送業M&Aで地域性を説明する
東京の運送業M&Aでは、地域によって強みが変わります。大田・品川・江東・湾岸エリアでは物流拠点、空港、港湾、倉庫との関係が重要です。都心部では店舗配送、企業間配送、時間指定、搬入条件への対応力が見られます。
多摩地域では、製造業、食品、生活関連、近県配送、地域荷主との関係が評価されることがあります。足立・葛飾・江戸川方面では、埼玉・千葉方面への配送導線も重要になります。
候補先が都外企業の場合、東京の交通事情、駐車条件、搬入時間、施設ルール、荷主の細かな要望を十分に理解していないことがあります。譲渡企業が地域特性を言語化することで、候補先は譲渡後の運営を考えやすくなります。
- 湾岸・城南:港湾、空港、倉庫、物流拠点、車庫確保の強みを整理する
- 都心:店舗配送、企業間配送、時間指定、搬入条件、駐車条件を説明する
- 多摩・城東:近県配送、地域荷主、製造業、生活関連配送の導線を整理する
買収監査で質問されやすい項目を先に想定する
運送業M&Aの買収監査では、財務資料だけでなく、許可、人材、車両、労務、安全、事故、荷主契約、協力会社、車庫、保険まで確認されます。候補先は、譲渡後に想定外の損失や法令上の問題が発生しないかを見ています。
質問されやすいのは、未払残業、拘束時間、事故履歴、行政処分、車両リース残高、燃料費上昇、荷主単価、待機時間、特定荷主依存、車庫契約、運行管理者の継続性です。
譲渡企業は、不利に見える項目を隠すのではなく、事実、金額、時期、対応状況、再発防止策を整理します。後から判明するより、初期段階で論点化した方が、候補先との信頼関係を作りやすくなります。
- 財務:燃料費、外注費、未収金、リース残高、車両更新費を確認する
- 運行:点呼、事故、行政指摘、拘束時間、運行管理体制を整理する
- 契約:荷主契約、車庫契約、協力会社、保険、解除条項を確認する
成約後の運行引継ぎを具体化する
運送業M&Aは、契約締結後の引継ぎが特に重要です。運行中のルート、定期便、スポット便、荷主対応、協力会社手配、点呼、車両整備、請求・入金管理をどの順番で引き継ぐかを決めます。
ルートごとに、荷主、積み地、降ろし地、時間指定、車両、ドライバー、拘束時間、待機時間、注意点、代替ルート、緊急連絡先を一覧化します。東京の配送では施設ルールや搬入条件が細かいため、現場情報の引継ぎが重要です。
代表者や配車担当が主要荷主を持っている場合、譲受企業候補への同行期間を決めます。引継ぎ表は成約前から作り始め、候補先の質問に応じて更新すると、最終契約後の混乱を抑えられます。
- ルート一覧:荷主、積み地、降ろし地、時間指定、車両、担当者を整理する
- 同行:主要荷主、協力会社、車庫、金融機関への同行時期を決める
- 移管:配車、点呼、整備、請求、入金、事故対応の移管先を決める
候補先から質問されたときの回答準備
M&Aの面談では、譲受企業候補から想定より細かい質問が出ることがあります。売上が伸びた理由、粗利が下がった理由、退職者が出た時期、主要取引先の契約更新、賃貸借の更新、設備投資の予定、代表者が残れる期間など、質問の多くは事業継続性を確認するためのものです。回答をその場の記憶だけに頼ると、後から数字や時期がずれる可能性があります。
譲渡企業は、よく聞かれる質問を想定して、回答メモを作っておくと実務が進めやすくなります。回答メモには、事実、背景、今後の対応、開示できる資料、専門家確認が必要な点を分けて書きます。不利に見える論点でも、なぜ起きたのか、現在はどう改善しているのか、譲渡後にどう引き継げるのかを説明できれば、候補先はリスクを測りやすくなります。
東京の中小企業では、地域金融機関、顧問税理士、主要取引先、賃貸人、従業員との関係が密接です。そのため、候補先からの質問は財務だけでなく、信用の引継ぎや現場運営に及びます。質問を受けたら、回答した内容、追加資料、未回答項目、次回までの確認事項を記録し、次の候補先にも同じ品質で説明できるようにします。
- 質問記録:候補先名、質問日、質問内容、回答、追加資料、未回答項目を残す
- 回答の粒度:事実、背景、今後の対応、専門家確認が必要な点を分ける
- 改善説明:弱点を隠すのではなく、改善状況と引継ぎ方法を説明する
- 再利用:複数候補から同じ質問が出る項目は、FAQや補足資料に反映する
相談後に社内で整理する優先順位
初回相談の後は、すぐ候補先へ提案するのではなく、社内で整理する優先順位を決めることが重要です。東京のM&A市場は候補先候補が多いため、準備が不十分なまま情報を出すと、質問対応に追われ、本業の時間を圧迫します。まずは、譲渡目的、希望条件、開示資料、専門家確認事項、候補先選定基準を分けて、次の一週間で確認することを決めます。
優先順位は、事業への影響が大きいものから決めます。従業員への説明が難しい会社では人材と説明計画を先に整理します。賃貸借や許認可に制約がある会社では契約と行政手続きを先に確認します。株主が複数いる会社では意思確認と手続きの確認を早めます。この順番を間違えると、価格交渉が進んだ後に重要論点が出て手戻りになることがあります。
M&Aは、資料を増やすこと自体が目的ではありません。譲渡企業が納得できる判断をするために、何を確認すればよいかを明確にすることが目的です。相談後の整理では、すぐ進める項目、専門家に確認する項目、候補先面談後に判断する項目、いったん保留する項目を分け、検討の負担を小さくしていきます。
- すぐ進める:決算、月次、人員表、契約一覧、借入一覧など手元で整理できる資料を集める
- 専門家確認:税務、法務、労務、許認可、株主構成は必要に応じて専門家へ確認する
- 面談後判断:価格目線、候補先範囲、代表者残留期間は候補先の反応も見ながら調整する
- 保留項目:情報開示リスクが高い資料は、NDAや候補先の真剣度を確認してから出す
基本合意前に確認する最終論点
候補先との話が進むと、基本合意に向けて条件をまとめる段階に入ります。この時点では、譲渡価格だけでなく、譲渡対象、役員退任、代表者の残留期間、従業員の処遇、取引先への説明、金融機関対応、買収監査の範囲、独占交渉期間、費用負担、契約締結までの予定を確認します。東京の中小企業では、候補先が複数出ることもありますが、条件の比較軸が曖昧だと、表面的な価格だけで判断しやすくなります。
基本合意は最終契約ではありませんが、その後の進行に大きな影響を与えます。独占交渉に入る場合、他の候補先との協議を止めることになるため、候補先の資金力、意思決定者、買収目的、買収監査体制、従業員・取引先への姿勢を確認しておく必要があります。譲渡企業が不安を抱えたまま独占交渉に入ると、後半で条件がずれたときに選択肢が狭くなります。
また、買収監査で追加論点が出ることを前提に、どの論点なら価格調整の対象になり、どの論点なら表明保証や補償条項で対応するのかを考えます。未払債務、契約承諾、許認可、労務、税務、個人情報、システム、在庫評価などは、業種によって重要度が変わります。法務・税務の判断は必ず専門家と確認し、譲渡企業だけで結論を急がないようにします。
条件比較では、譲渡価格、支払方法、従業員の雇用、社名や屋号の扱い、代表者の関与、引継ぎ期間、秘密保持、契約締結までの速度を横並びにします。価格が高い候補先でも、雇用や取引先対応に不安がある場合は慎重に見る必要があります。反対に、価格だけでは見劣りしても、地域理解や従業員対応が丁寧な候補先が、譲渡企業にとって納得しやすい相手になることもあります。最終的には、金額、安心感、実行確度を分けて判断することが重要です。その判断軸を事前に文章化しておくと、比較がぶれにくくなります。
- 条件表:価格、支払方法、雇用、社名、代表者残留、引継ぎ期間を横並びで比較する
- 独占交渉:候補先の資金力、意思決定者、監査体制、買収目的を確認してから判断する
- 監査論点:労務、税務、契約、許認可、在庫、個人情報、システムを事前に整理する
- 専門家確認:基本合意書、最終契約、表明保証、補償条項は専門家と確認する
東京の運送業M&Aで候補先が見たい実務資料
運送業のM&Aでは、候補先が見たい資料が比較的明確です。許可書、営業所・車庫資料、車両一覧、人員表、運行管理者・整備管理者の情報、点呼記録、事故履歴、荷主別売上、ルート別採算、協力会社一覧、リース契約、保険、労務資料を整理します。東京の配送は地域差が大きいため、どのエリアでどの配送を得意としているかも重要です。
資料整理は、価格を高く見せるためだけの作業ではありません。譲渡後に許可、車両、ドライバー、荷主、運行管理、配送品質が継続できるかを候補先が判断するための土台です。譲渡企業が運送業特有の論点を先に整理しておくことで、候補先との対話が具体的になります。
- 許可・拠点:許可、営業所、車庫、休憩施設、賃貸借契約を整理する
- 人材:ドライバー、運行管理者、整備管理者、配車担当を確認する
- 車両:所有、リース、整備記録、保険、事故履歴、稼働率を整理する
- 荷主:荷主別売上、契約、単価、待機時間、ルート別採算を確認する
譲渡企業の仲介手数料は成功報酬まで0円
東京M&A総合センターでは、譲渡企業から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計で初期相談を受け付けています。大手仲介会社では、案件規模にかかわらず最低成功報酬として2,500万円前後の水準が設定されることがあります。会社売却や事業承継を検討し始めた段階の経営者にとって、費用負担が検討の障壁にならないことは重要です。ただし、税務・法務・登記・許認可などの専門家費用が別途発生する場面はあるため、必要な範囲と発生時点は事前に確認してください。
費用が0円であることだけを理由に急いで進める必要はありません。秘密保持、候補先の選定、資料開示、従業員・取引先への説明順序を整えたうえで、譲渡企業にとって納得できる条件かを確認することが大切です。
よくある質問
運送業許可はM&A後もそのまま使えますか?
スキーム、会社の状況、営業所・車庫、運行管理体制、手続きによって確認事項が変わります。一般論で判断せず、行政書士など専門家へ早めに確認してください。
ドライバー不足でもM&Aを検討できますか?
検討できます。ただし、ドライバーの年齢構成、定着率、採用方法、配車体制、協力会社の活用状況を整理し、候補先に現実的な運営計画を説明する必要があります。
車両が古くても候補先は見つかりますか?
可能性はあります。重要なのは、車両一覧、整備記録、稼働率、更新予定、リース残高を整理し、候補先が更新投資を見込める状態にすることです。
譲渡企業の費用はどのようになりますか?
東京M&A総合センターでは、譲渡企業の仲介手数料は着手金・中間金・月額報酬・成功報酬まで0円です。税務・法務・許可関連の専門家費用は別途確認してください。
