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東京の建設業M&Aで確認すべき許可・技術者・工事台帳

2026 7/08
コラム
2026年7月8日
東京の建設業M&Aで確認すべき許可・技術者・工事台帳

狙うキーワード:東京 建設業 M&A

東京の建設業M&Aを検討する譲渡企業向けに、建設業許可、専任技術者、施工管理、工事台帳、協力会社、公共工事、手数料0円相談の論点を整理します。

東京の建設業M&Aでは、決算書の利益だけでなく、建設業許可、専任技術者、施工管理技士、現場代理人、工事台帳、未成工事、協力会社、元請・下請関係、安全管理、車両・重機、公共工事の入札実績などが候補先の判断に影響します。後継者不在や人材採用難を背景にM&Aを検討する譲渡企業は、建設業特有の論点を早めに整理しておく必要があります。本記事では、東京都内の建設会社がM&Aを検討する際に確認すべき実務を、譲渡企業の目線で整理します。

目次

この記事で整理すること

  • 東京の建設業M&Aで候補先が確認する許可・技術者・工事台帳
  • 専任技術者、施工管理技士、現場代理人、協力会社の承継論点
  • 公共工事、経営事項審査、入札、元請・下請関係の確認事項
  • 労務、安全管理、車両・重機、リース、保証、契約不適合責任の注意点
  • 譲渡企業の仲介手数料0円で初期相談する際の実務準備

初期確認チェックリスト

M&Aの初期相談では、すべての資料がそろっていなくても進められます。ただし、次の項目を経営者自身の言葉で説明できると、相談先が譲渡企業の状況を把握しやすくなり、候補先に出す匿名概要や質問回答の精度も上がります。未整理の項目は無理に判断せず、確認事項として残すことが重要です。確認した日付と担当者も残しておくと、後続の資料更新がしやすくなります。

  • 譲渡理由:後継者不在、成長投資、代表者の年齢、事業の選択と集中など、検討理由を簡潔に説明する
  • 希望時期:今すぐ、半年後、1年後、数年以内など、事業と生活設計に合う時期を考える
  • 守りたい条件:雇用、社名、取引先、地域での信用、代表者の残留期間を価格条件と分けて整理する
  • 主要資料:決算書、月次、顧客別売上、人員表、契約一覧、借入一覧、許認可資料の有無を確認する
  • 候補先像:同業、周辺業種、地域企業、首都圏の成長企業など、事業を託しやすい相手の条件を考える
  • 不安点:情報漏えい、従業員説明、取引先対応、税務、法務、価格目線などを率直に書き出す
  • 相談範囲:社名非開示で話す内容、NDA後に開示する内容、専門家確認が必要な内容を分ける

建設業M&Aは許可と人材の承継が中心になる

東京の建設業M&Aでは、売上や利益の水準だけで候補先が判断するわけではありません。建設業許可の種類、専任技術者、施工管理技士、主任技術者、監理技術者、現場代理人、協力会社網が継続できるかが重要です。

建設会社の価値は、受注実績、元請との関係、職人の確保力、現場管理力、工事台帳の精度、安全管理、近隣対応に表れます。これらは決算書だけでは見えにくいため、譲渡企業が資料として整理する必要があります。

候補先は、譲渡後に許可や技術者体制が維持できるか、代表者が退任した後も現場が回るか、協力会社が離れないかを確認します。早い段階で論点を整理しておくことが、条件交渉の安定につながります。

  • 許可:建設業許可の種類、有効期限、営業所、専任技術者を確認する
  • 人材:施工管理技士、主任技術者、監理技術者、現場代理人を整理する
  • 現場力:受注実績、協力会社、工事台帳、安全管理を資料化する

建設業許可と専任技術者を確認する

建設業M&Aで最初に確認されるのは、建設業許可の内容です。一般建設業か特定建設業か、どの業種許可を持っているか、営業所の所在地、許可の有効期限、専任技術者の資格・実務経験が候補先の検討材料になります。

専任技術者が代表者本人である場合、譲渡後に代表者が退任すると許可の維持に影響する可能性があります。候補先は、社内に代替できる技術者がいるか、譲受企業側の技術者で対応できるか、変更届や手続きが必要かを確認します。

許可の承継や変更手続きは、譲渡スキーム、会社の状態、許可行政庁、営業所、技術者体制によって扱いが変わります。本記事は一般的な整理であり、実際の判断は行政書士、弁護士、税理士など専門家へ確認する前提で進めます。

  • 許可業種:許可通知書、業種、有効期限、営業所、特定・一般の別を整理する
  • 専任技術者:資格、実務経験、常勤性、退任予定、代替可能性を確認する
  • 専門家確認:許可承継、変更届、スキーム別の扱いは専門家に確認する

施工管理技士と現場代理人の継続性を見る

建設会社のM&Aでは、資格者が何人いるかだけでなく、実際に現場を任せられる人材がいるかが見られます。施工管理技士、主任技術者、監理技術者、現場代理人がどの現場を担当しているかを整理します。

東京では現場の数が多く、工期、近隣対応、協力会社手配、行政対応、安全書類、元請報告が重なります。代表者や一部の番頭に現場判断が集中している場合、候補先は譲渡後の運営リスクを大きく見ます。

人材情報は個人情報に配慮しながら、役割、資格、勤続、担当工事、年齢層、雇用形態、残留可能性、退職リスクを整理します。資格者が継続できるかは、許可維持と受注継続に直結します。

  • 資格者一覧:資格、担当工事、勤続、雇用形態、残留可能性を整理する
  • 現場担当:誰が工程、品質、安全、近隣対応、元請報告を担っているか確認する
  • 属人性:代表者や番頭への集中業務を分解し、引継ぎ計画を作る

工事台帳と粗利管理を整える

建設業M&Aでは、工事ごとの採算が非常に重要です。決算書上は利益が出ていても、どの工事で利益が出て、どの工事で赤字が出ているかがわからなければ、候補先は将来の収益性を判断しにくくなります。

工事台帳には、受注額、原価、外注費、材料費、労務費、現場経費、追加変更、粗利、入金予定、未成工事支出金、完成工事未収入金を整理します。東京では小規模工事から大型改修まで案件が混在することがあり、工事別の粗利差を説明できることが重要です。

工事台帳が整っていない場合でも、直近の主要工事から整理を始めることはできます。候補先が見たいのは完璧な形式ではなく、採算管理の実態と改善余地です。未回収や追加請求の有無も早めに確認します。

  • 工事別採算:受注額、原価、外注費、材料費、粗利、追加変更を整理する
  • 未成・未収:未成工事支出金、完成工事未収入金、入金予定を確認する
  • 赤字工事:赤字理由、再発防止、見積精度、現場管理の改善策を説明する

元請・下請・協力会社との関係を棚卸しする

建設会社の価値は、元請や発注者との関係、協力会社や職人の確保力に大きく左右されます。東京では工事需要が多い一方、職人不足や外注費上昇もあり、協力会社網の安定性が候補先の関心事項になります。

主要元請、主要発注者、協力会社、外注先、材料業者について、取引年数、売上比率、支払条件、契約形態、担当者、継続可能性を整理します。特定元請への依存が高い場合は、リスクとして示しつつ、関係継続の根拠を説明します。

協力会社との関係は、契約書だけでは測れない部分があります。代表者個人との関係、現場監督との信頼、支払サイト、現場の段取り、事故対応の履歴などを整理しておくと、候補先は承継後の運営をイメージしやすくなります。

  • 元請・発注者:売上比率、取引年数、担当者、契約形態、継続可能性を確認する
  • 協力会社:工種、稼働頻度、支払条件、代替先、関係性を整理する
  • 依存リスク:特定元請や特定職人への依存を対応方針と一緒に説明する

公共工事・経営事項審査・入札実績を整理する

公共工事を扱う建設会社では、経営事項審査、入札参加資格、工事成績、技術者体制、地域要件が重要になります。候補先は、譲渡後も同じように入札できるか、入札資格や評点に影響がないかを確認します。

東京都や区市町村の公共工事では、地域性、実績、技術者、経審、入札参加資格の更新時期が関係します。公共工事比率が高い会社は、民間工事中心の会社よりも、承継後の手続き確認が重要です。

経審や入札資格の扱いは、個別事情と制度によって変わります。M&Aのスキームや代表者変更、技術者変更、許可変更が影響する場合があるため、早めに行政書士など専門家に確認します。

  • 経審:総合評定値、審査基準日、更新時期、評点に影響する項目を確認する
  • 入札資格:東京都、区市町村、公共団体の資格と更新時期を整理する
  • 工事実績:工事成績、元請実績、地域要件、技術者配置を確認する

労務・安全管理・社会保険を確認する

建設業M&Aでは、労務と安全管理も重要な確認項目です。社会保険加入、雇用契約、就業規則、残業管理、労災、健康診断、安全教育、現場入場書類が整っているかを確認します。

一人親方、外注、常用、日給月給、派遣に近い働き方が混在している場合、契約形態と実態の整理が必要です。候補先は、労務リスクが後から発生しないかを見ます。未払残業や社会保険の扱いは専門家確認が必要です。

安全管理では、労災事故の履歴、是正対応、KY活動、安全書類、元請からの指摘、近隣クレームを整理します。事故を隠すのではなく、発生時期、内容、対応、再発防止策を説明できる状態にします。

  • 労務:雇用契約、就業規則、残業、社会保険、退職金規程を確認する
  • 外注管理:一人親方、常用、外注契約、支払条件、実態を整理する
  • 安全:労災履歴、安全教育、元請指摘、再発防止策を確認する

車両・重機・資材・リースを一覧化する

建設会社のM&Aでは、車両、重機、工具、仮設材、資材在庫、リース契約の確認が必要です。設備が利益を生んでいる場合もあれば、老朽化や更新投資が候補先の負担になる場合もあります。

車両や重機は、所有かリースか、使用年数、整備状況、ローン残高、保険、車検、事故歴、稼働率を整理します。東京では保管場所や駐車場、資材置き場、近隣対応も事業継続に関わります。

資材在庫は、工事ごとの使用予定、滞留、評価方法を確認します。過大在庫や使えない資材がある場合は、候補先が評価を下げる可能性があります。事前に実態を整理しておくことが必要です。

  • 車両・重機:所有、リース、ローン、整備、車検、保険、稼働率を確認する
  • 資材:在庫、滞留、使用予定、評価方法、保管場所を整理する
  • 更新投資:老朽化、修繕予定、買替予定を候補先に説明する

契約不適合・保証・アフター対応を確認する

建設業では、完成後の保証、契約不適合責任、アフター対応、瑕疵対応、元請からの是正指示がM&A後も残ることがあります。候補先は、過去工事のリスクがどれくらいあるかを確認します。

過去のクレーム、補修対応、保険加入、保証書、契約書、注文書、請書、引渡資料を整理します。特に住宅、内装、設備、改修、外壁、防水などでは、施工後の問い合わせや補修が発生することがあります。

契約不適合や保証の扱いは、契約内容、工事内容、発生時期によって変わります。最終契約では表明保証や補償条項に関わるため、個別判断は弁護士など専門家と確認します。

  • 保証:保証書、保険、契約書、補修履歴、引渡資料を確認する
  • クレーム:過去の是正、補修、元請指摘、近隣対応を整理する
  • 契約:表明保証、補償条項、責任範囲は専門家と確認する

代表者依存と営業ルートを分解する

建設業の中小企業では、代表者が営業、見積、現場段取り、協力会社手配、金融機関対応を一人で担っていることがあります。候補先は、代表者が退任した後に受注が続くかを確認します。

営業ルートは、元請紹介、施主紹介、設計事務所、管理会社、地域工務店、Web問い合わせ、公共入札などに分けます。どのルートが代表者個人に依存しているか、どのルートは会社として継続できるかを整理します。

代表者依存をゼロにする必要はありません。重要なのは、どの業務を誰に移すか、どの取引先へ代表者が同行するか、どの期間で譲受企業候補へ権限を移すかを説明できる状態にすることです。

  • 営業ルート:元請、紹介、設計事務所、管理会社、公共入札、Webを分ける
  • 業務移管:見積、現場段取り、協力会社手配、金融機関対応を分解する
  • 同行計画:主要取引先、協力会社、金融機関への同行時期を決める

東京の建設業M&Aで地域性を説明する

東京の建設業M&Aでは、地域によって強みが変わります。都心部では内装、改修、オフィス、店舗、ビルメンテナンス関連の需要があり、城南・湾岸では物流、倉庫、工場、設備工事の導線があります。多摩地域では住宅、リフォーム、地域工務店、公共工事が見られます。

同じ建設業でも、港区の内装工事会社、大田区の設備工事会社、江東区の物流関連工事会社、多摩地域の住宅リフォーム会社では、候補先の関心が異なります。地域の受注ルート、協力会社、職人確保、資材置き場、移動時間を説明します。

候補先が都外企業の場合、東京の現場管理、近隣対応、駐車場、搬入、夜間工事、ビル管理会社との調整を理解していないことがあります。譲渡企業が地域特性を言語化することで、候補先は譲渡後の運営を考えやすくなります。

  • 都心:内装、改修、店舗、オフィス、ビル管理会社との関係を整理する
  • 城南・湾岸:設備、物流、倉庫、工場、配送導線、資材置き場を確認する
  • 多摩:住宅、リフォーム、地域工務店、公共工事、地元顧客を整理する

初回相談では建設業特有の資料を優先する

初回相談では、すべての資料が完璧にそろっている必要はありません。ただし、建設業許可、専任技術者、資格者、人員表、工事台帳、主要工事、協力会社、借入、車両・重機、契約書の有無を確認しておくと、相談の精度が上がります。

譲渡企業は、どの資料が手元にあり、どの資料が未整理かを一覧にします。未整理の資料があること自体は問題ではありません。重要なのは、候補先に説明する前に、どの論点が価格や条件に影響するかを把握することです。

専門家確認が必要な項目も早めに分けます。建設業許可、経審、入札、労務、契約不適合、税務、代表者保証は個別判断が必要になるため、一般論で決めず、行政書士、弁護士、税理士、社会保険労務士へ確認する前提で進めます。

  • 優先資料:許可、資格者、人員表、工事台帳、主要工事、協力会社を優先する
  • 未整理:不足資料は隠さず、作成予定と確認予定を整理する
  • 専門家:許可、経審、労務、税務、契約は専門家確認を前提にする

買収監査で質問されやすい項目を先に想定する

建設業M&Aの買収監査では、財務資料だけでなく、現場、許可、人材、契約、労務、安全、協力会社、保証、未収金まで確認されます。候補先は、譲渡後に想定外の損失や許可上の問題が発生しないかを見ています。

質問されやすいのは、赤字工事の理由、追加変更の請求状況、未収金の回収可能性、協力会社への未払、事故やクレームの履歴、社会保険や労務管理、専任技術者の常勤性、公共工事の入札資格、車両・重機の所有関係です。

譲渡企業は、不利に見える項目を隠すのではなく、事実、金額、時期、対応状況、再発防止策を整理します。後から判明するより、初期段階で論点化した方が、候補先との信頼関係を作りやすくなります。

  • 財務:赤字工事、未収金、未払、追加変更、在庫、リース残高を確認する
  • 現場:事故、クレーム、是正指示、安全書類、近隣対応を整理する
  • 許可・人材:専任技術者、資格者、経審、入札資格、現場代理人を確認する

成約後の現場引継ぎを具体化する

建設業M&Aは、契約締結後の引継ぎが特に重要です。進行中の現場、見積中の案件、入札予定、協力会社手配、材料発注、近隣対応、元請報告、請求・入金管理をどの順番で引き継ぐかを決めます。

現場ごとに、工事名、所在地、発注者、元請、工期、契約金額、進捗、残工事、追加変更、請求予定、現場責任者、協力会社、注意点を一覧化します。東京の現場では搬入時間、駐車、近隣説明、ビル管理会社との調整も重要です。

代表者や番頭が主要現場を持っている場合、譲受企業候補への同行期間を決めます。現場ごとの引継ぎが曖昧だと、成約後に品質、工程、粗利、取引先対応で問題が起きやすくなります。

引継ぎ表は成約前から作り始め、候補先の質問に応じて更新すると、最終契約後の混乱を抑えられます。現場別に責任者と期限も明記します。

  • 現場一覧:所在地、工期、進捗、残工事、請求予定、現場責任者を整理する
  • 同行:元請、協力会社、発注者、管理会社への同行時期を決める
  • 移管:工程、品質、安全、粗利、請求、入金管理の移管先を決める

候補先から質問されたときの回答準備

M&Aの面談では、譲受企業候補から想定より細かい質問が出ることがあります。売上が伸びた理由、粗利が下がった理由、退職者が出た時期、主要取引先の契約更新、賃貸借の更新、設備投資の予定、代表者が残れる期間など、質問の多くは事業継続性を確認するためのものです。回答をその場の記憶だけに頼ると、後から数字や時期がずれる可能性があります。

譲渡企業は、よく聞かれる質問を想定して、回答メモを作っておくと実務が進めやすくなります。回答メモには、事実、背景、今後の対応、開示できる資料、専門家確認が必要な点を分けて書きます。不利に見える論点でも、なぜ起きたのか、現在はどう改善しているのか、譲渡後にどう引き継げるのかを説明できれば、候補先はリスクを測りやすくなります。

東京の中小企業では、地域金融機関、顧問税理士、主要取引先、賃貸人、従業員との関係が密接です。そのため、候補先からの質問は財務だけでなく、信用の引継ぎや現場運営に及びます。質問を受けたら、回答した内容、追加資料、未回答項目、次回までの確認事項を記録し、次の候補先にも同じ品質で説明できるようにします。

  • 質問記録:候補先名、質問日、質問内容、回答、追加資料、未回答項目を残す
  • 回答の粒度:事実、背景、今後の対応、専門家確認が必要な点を分ける
  • 改善説明:弱点を隠すのではなく、改善状況と引継ぎ方法を説明する
  • 再利用:複数候補から同じ質問が出る項目は、FAQや補足資料に反映する

相談後に社内で整理する優先順位

初回相談の後は、すぐ候補先へ提案するのではなく、社内で整理する優先順位を決めることが重要です。東京のM&A市場は候補先候補が多いため、準備が不十分なまま情報を出すと、質問対応に追われ、本業の時間を圧迫します。まずは、譲渡目的、希望条件、開示資料、専門家確認事項、候補先選定基準を分けて、次の一週間で確認することを決めます。

優先順位は、事業への影響が大きいものから決めます。従業員への説明が難しい会社では人材と説明計画を先に整理します。賃貸借や許認可に制約がある会社では契約と行政手続きを先に確認します。株主が複数いる会社では意思確認と手続きの確認を早めます。この順番を間違えると、価格交渉が進んだ後に重要論点が出て手戻りになることがあります。

M&Aは、資料を増やすこと自体が目的ではありません。譲渡企業が納得できる判断をするために、何を確認すればよいかを明確にすることが目的です。相談後の整理では、すぐ進める項目、専門家に確認する項目、候補先面談後に判断する項目、いったん保留する項目を分け、検討の負担を小さくしていきます。

  • すぐ進める:決算、月次、人員表、契約一覧、借入一覧など手元で整理できる資料を集める
  • 専門家確認:税務、法務、労務、許認可、株主構成は必要に応じて専門家へ確認する
  • 面談後判断:価格目線、候補先範囲、代表者残留期間は候補先の反応も見ながら調整する
  • 保留項目:情報開示リスクが高い資料は、NDAや候補先の真剣度を確認してから出す

基本合意前に確認する最終論点

候補先との話が進むと、基本合意に向けて条件をまとめる段階に入ります。この時点では、譲渡価格だけでなく、譲渡対象、役員退任、代表者の残留期間、従業員の処遇、取引先への説明、金融機関対応、買収監査の範囲、独占交渉期間、費用負担、契約締結までの予定を確認します。東京の中小企業では、候補先が複数出ることもありますが、条件の比較軸が曖昧だと、表面的な価格だけで判断しやすくなります。

基本合意は最終契約ではありませんが、その後の進行に大きな影響を与えます。独占交渉に入る場合、他の候補先との協議を止めることになるため、候補先の資金力、意思決定者、買収目的、買収監査体制、従業員・取引先への姿勢を確認しておく必要があります。譲渡企業が不安を抱えたまま独占交渉に入ると、後半で条件がずれたときに選択肢が狭くなります。

また、買収監査で追加論点が出ることを前提に、どの論点なら価格調整の対象になり、どの論点なら表明保証や補償条項で対応するのかを考えます。未払債務、契約承諾、許認可、労務、税務、個人情報、システム、在庫評価などは、業種によって重要度が変わります。法務・税務の判断は必ず専門家と確認し、譲渡企業だけで結論を急がないようにします。

条件比較では、譲渡価格、支払方法、従業員の雇用、社名や屋号の扱い、代表者の関与、引継ぎ期間、秘密保持、契約締結までの速度を横並びにします。価格が高い候補先でも、雇用や取引先対応に不安がある場合は慎重に見る必要があります。反対に、価格だけでは見劣りしても、地域理解や従業員対応が丁寧な候補先が、譲渡企業にとって納得しやすい相手になることもあります。最終的には、金額、安心感、実行確度を分けて判断することが重要です。その判断軸を事前に文章化しておくと、比較がぶれにくくなります。

  • 条件表:価格、支払方法、雇用、社名、代表者残留、引継ぎ期間を横並びで比較する
  • 独占交渉:候補先の資金力、意思決定者、監査体制、買収目的を確認してから判断する
  • 監査論点:労務、税務、契約、許認可、在庫、個人情報、システムを事前に整理する
  • 専門家確認:基本合意書、最終契約、表明保証、補償条項は専門家と確認する

東京の建設業M&Aで候補先が見たい実務資料

建設業のM&Aでは、候補先が見たい資料が比較的明確です。許可通知書、資格者一覧、人員表、工事台帳、主要工事一覧、協力会社一覧、車両・重機一覧、借入一覧、リース契約、労務資料、安全管理資料、契約書、保証や補修の履歴を整理します。東京の現場は地域差が大きいため、どのエリアでどの工種を得意としているかも重要です。

資料整理は、価格を高く見せるためだけの作業ではありません。譲渡後に許可や技術者、現場管理、協力会社、工事採算が継続できるかを候補先が判断するための土台です。譲渡企業が建設業特有の論点を先に整理しておくことで、候補先との対話が具体的になります。

  • 許可・資格:建設業許可、専任技術者、施工管理技士、主任技術者を整理する
  • 工事資料:工事台帳、主要工事、粗利、未成工事、追加変更を整理する
  • 協力会社:工種、取引年数、支払条件、稼働頻度、代替先を確認する
  • 資産・契約:車両、重機、リース、保証、契約不適合、補修履歴を確認する

譲渡企業の仲介手数料は成功報酬まで0円

東京M&A総合センターでは、譲渡企業から着手金・中間金・月額報酬・成功報酬をいただかない設計で初期相談を受け付けています。大手仲介会社では、案件規模にかかわらず最低成功報酬として2,500万円前後の水準が設定されることがあります。会社売却や事業承継を検討し始めた段階の経営者にとって、費用負担が検討の障壁にならないことは重要です。ただし、税務・法務・登記・許認可などの専門家費用が別途発生する場面はあるため、必要な範囲と発生時点は事前に確認してください。

費用が0円であることだけを理由に急いで進める必要はありません。秘密保持、候補先の選定、資料開示、従業員・取引先への説明順序を整えたうえで、譲渡企業にとって納得できる条件かを確認することが大切です。

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よくある質問

建設業許可はM&A後もそのまま使えますか?

スキーム、会社の状況、専任技術者、営業所、許可行政庁によって確認事項が変わります。一般論で判断せず、行政書士など専門家へ早めに確認してください。

専任技術者が代表者の場合でも相談できますか?

相談できます。ただし、代表者退任後の許可維持や代替技術者の有無が重要論点になります。候補先側の技術者体制も含めて確認します。

工事台帳が完全に整っていなくてもM&Aを検討できますか?

検討できます。まずは直近の主要工事から、受注額、原価、外注費、粗利、追加変更、未収の有無を整理することが現実的です。

譲渡企業の費用はどのようになりますか?

東京M&A総合センターでは、譲渡企業の仲介手数料は着手金・中間金・月額報酬・成功報酬まで0円です。税務・法務・許可関連の専門家費用は別途確認してください。

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